当店では、施術を始める前にお客さまのお話をお聞きする「ヒアリング(カウンセリング)」の時間を設けています。
こんにちは
豊島区にある池袋整体ゆっくりの松本です。
ヒアリングとは単に施術に必要な情報を聞き出すためだけのものではありません。
これから大切なお体を触らせていただくにあたり、お互いの信頼関係をそっと築いていくためのとても静かで大切な時間だと考えています。
ヒアリングでは以下の2つの点を最低限確認させていただきます。
- どんなことでお悩み(症状)なのか(いつから、どこが、どのように痛むのかなど)
- そのきっかけ(原因)はあったのか(日常の癖や、思い当たる節目があるかどうか)
まずは、あなたの今の状態をそのまま教えてくださいね。
隠された「お体の歴史」に耳を傾ける
お客さまの中には「こうなりたい」というご要望をたくさんお話ししてくださる方もいれば、ご自身の状態を言葉にするのが少し苦手で、あまりお話されない方もいらっしゃいます。
要望が言葉通りであることもあれば、ご自身でも気づいていない「隠されたニーズ(本当の原因)」が背景に眠っていることも少なくありません。
たとえば、今感じている肩こりや腰痛が何年も前の古い怪我や、過去の交通事故などが複雑に関係しているケースもあります。
お客さまが「こんな古い話、関係ないかもしれないけれど……」とぽろっとお話ししてくれる内容の中に、体をリセットするためのヒントが隠されていることが本当によくあるのです。
そのため当店ではいきなりベッドに横になってもらって「施術スタート!」ということはいたしません。
まずはあなたのお話をきちんとお聞きするように心がけています。
以前観た、総合診療科を舞台にした医療漫画(ドラマ)の主人公が、患者さんに優しく寄り添いながら語りかけるこんなシーンが印象に残っています。
「あなたの話を聞かせてください」
緊張を和らげる「施術者とお客さまの位置関係」
お話を聞くにあたって「お互いの位置関係(座るポジション)」を大切にしています。
これは心理学やカウンセリングの分野でもよく知られているセオリーです。
施術者とお客さまが真正面から対面するのか。
少し斜めに座るのか、あるいは横向きなのか。
これだけで、その空間の「落ち着き」や「リラックス度」が変わります。
一般的に初めて会う人と「真正面から対面」してお話をすると、人は無意識のうちに緊張が強まってしまうとされています。
どこに視線を置いていいか分からず、少し圧迫感(威圧感)を覚えてしまうこともあるかもしれません。
気持ちをゆるめる「斜め」と「一段下」の関係
そのため多くのお店でもそうしているようにヒアリングではお互いが「斜め」または「横向き」に座る位置関係をとっています。
このポジションであれば、お互いの視線が正面からぶつかりにくくなり、沈黙の時間が流れても気まずさがありません。
空間の圧迫感がなくなり、ふっと心がゆるんで話やすくなる効果があります。
さらに私がお客さまのお話を聞くときは、できる限り「お客さまよりも一段下に自分を置く」ということを意識しています。
これは片膝をついて自分の姿勢を低くし、お客さまを見上げるような形でお話を聞くというわかりやすい場合もあるし。
関係性のなかで下に置くという形には見えない場合もあります。
最新の研修で得たさらなる空間づくりの学び
さて、ここまでは一般的に知られている位置関係のセオリーをお話ししてきましたが先日参加した研修では、さらに一歩踏み込んだ貴重なアドバイスを講師の先生からいただくことができました。
そこで学んだのは、以下のような「知っておくと施術効果の底上げになりそう」な目から鱗(うろこ)の内容ばかりです。
- 顔と顔が対面していなくても人の身体には「緊張」が起こること
- カラダの中で他人の「意識」を特に感知しやすいある部分の存在とお互いの位置関係
- その部分の緊張を優しく整える具体的なアプローチ方法
- 過去のセオリーに囚われず、自分自身のパフォーマンスを高めるために大切なこと
単なる座り位置のテクニックを超えて、「空間そのものがお互いに与える影響」を深く学ぶことができ本当にありがたい時間となりました。
視野が広がったからこそ溢れ出す新しいアイデア
ただこの学びによって、少し嬉しい困りごとも起きています。
研修を経てガラリと視野が広がったため、これまでの自分のやり方に対して次々と疑問点が湧き上がり、スルーできない状態になってしまったのです。
たとえばヒアリングの際にお客さまに座ってもらう「イス」について。
「(今までの位置のままで)本当にいいのかな?」
「(ヒアリング用には使ったことのない)あっちの別のイスをここに配置するのも、大いにありじゃないか?」
「そうすると、これがあったほうがお客さまがヒアリングシートに記入しやすくなるよね?」
今までなら思いつきもしなかったようなお客さまがよりリラックスできるための空間のアイデアが、頭の中で次から次へと出現してきました。
幸い、新しく何かを買い足す必要はなく手元にあるモノの配置を工夫するだけで実践できるのが嬉しいところです。
まだ頭の中で完全にまとまりきってはいませんが、この新しい気づきを得たことで私の中で「今までのヒアリングのやり方」に固執する理由はなくなりました。
というわけでさっそく今日から軌道修正です。
目の前のお客さまが少しでも深く息を吐き、お体をリセットできる空間にするために新しい学びを現場にどんどん活用していきます。
施術経験が豊富なお客さまの「リアルな本音」に耳を傾けて
最後にヒアリングについて私がとても大切にしている、もう一つの視点をご紹介します。
当店には過去に他の整体院やマッサージ店、鍼灸院など。
様々な施術を受けた経験が豊富な「目の肥えたお客さま」もたくさんお越しになります。
そういった経験豊富な方はカウンセリングや初回の説明の場でよく使われる以下のようなお話は、だいたい既に知っていらっしゃることがほとんどです。
- タブレットで筋肉や関節の画像を見せられる(大腰筋や深層筋などの難しい説明もご存知)
- 骨格模型で猫背の姿勢や問題点を指摘される(背骨のS字カーブの歪みや骨盤の後傾など)
- 「骨盤が歪んでいますね」と言われる(肩の高さや脚の長さの左右差の指摘)
- 「どこそこの関節の可動域が制限されています」と言われる
過去に行ったお店で同じような説明を受け、時には少し退屈な思いをされてきた方もいらっしゃいます。
実際にお客さまからこのようなリアルな本音を教えていただいたこともありました。
「どこのお店でも聞けるようなお決まりの内容をまるで講習のように長々と話されるのが、実はあまり好きじゃないんです」
「今までに聞いたことがない新しい内容の説明だったら、ぜひ聞いてみたいけれど……」
「たぶん整体歴浅い先生よりも自分のほうがうまく説明できると思う」
理屈よりもまずは「施術での変化」がほしい方へ
また丁寧な理屈や体の理論、なぜ通う必要があるのかを言葉で説明されるよりも「まずは施術を受けて体で変化を感じたい」そう考えるお客さまも少なくありません。
その場合。
お会いした瞬間は少し無口で静かに見えたお客さまであっても、施術が進み体がゆるんでいく途中から、ぽつりぽつりとお話しをしてくださるケースが本当によくあります。
「あ、そこがだんだん柔らかくなってきました」
「なんだか、体が少しポカポカしてきた気がする」
「実はさっきまで胃もたれがあったんですけど、少しお腹が空いてきたかも……」
「今回の不調とは関係ないかもしれませんが、そういえば昔、こんな怪我をしたことがあって……」
「あの、来週の今くらいの時間って次の予約がとれたりしますか?」
言葉による強引な誘導ではなく、施術によって体が「本来のバランス」を思い出し、リラックスしていく。
その心地よさに導かれるようにして、お客さま自身の心と口が、自然と内側からひらいていくことがあるのですね。
ヒアリングの正解は、決してひとつではない
もちろん、お体の仕組みについて詳しく理論的に説明されるのが好きな方もいらっしゃいます。
これまであまり整体やマッサージを受けたことがない方にとっては、専門家からの丁寧な言葉による解説が一番の安心材料になることもあるでしょう。
本当に人それぞれ違います。
どれが正しくてどれが間違いというわけではなく、その時のその方に「合うか、合わないか」の地続きの問題なのだと思います。
だからこそ、ヒアリングの正解はひとつではありません。
当店ではそういったお一人おひとりのグラデーションのような違いを大切に受け止めながら、目の前の方の満足感と安心感をさらに高めるための工夫をこれからも地味につづけていきます。
それでは今日も平穏な1日でありますように。
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🌸 「どんなお店なのかな?」と思ってくださった方へ
【この記事を書いた人】
整体師
松本健之
JCC池袋整体院(旧日本カイロプラクティックセンター南池袋)で13年勤務。
独立して池袋整体ゆっくりをオープン。
数多くの整体セミナーに参加し、現在も施術や身体操作の学びを継続中。
ヨガや太極拳で学んだ経験も施術に活かしている。
