更新日 2022年4月22日
緊張は悪者。
弛緩(脱力)は良いもの。
一般的にはそう考えられてますよね。
でも大切なのはバランスです。
脱力の究極は睡眠時や気絶状態ですが、それでは何もできません。
単純にリラックスしたいだけならストレッチポールに寝転がったり。
お店での揉みほぐしや目を休めたり、お風呂やアロマの香りなど。
有効なものはいろいろあります。
そうではなく、無駄な力を抜いて「動ける」ようになりたい場合。
身体には適度な緊張が必要です。
上手に必要な緊張をキープできると脱力しやすくなるんです。
そういった内容の考え方やトレーニング(体操やワーク)も池袋整体ゆっくりでは提供しています。
知ってましたか?
力が入っていることにもメリットがあることを。
心理的な安心感・守りを高めるために役立っているのです。
焦りや不安によるネガティブな感情で身体が疲弊し苦しい場合など。
今の状況に必要があるから力が入っていたりします。
ある種のお守りのようなもの。
そう考えるとデメリットだけではないのですね。
とはいえ力の抜き方がわからない現状に不便さを感じていたり。
力み癖を手放していきたいと思うこともあるはずです。
そのためにはメンタルを整えるだけでなく。
別の安心感や身体の感覚を持つことが助けになります。
身体のほかの部分や地面とのつながりが感じられてくるとき。
意識してないところで身体は安定します。
安定感は安心感につながるために、リラックスしやすくなるのがメリットです。
このページではリラックスのイメージがある以下のものは出てきません。
ですが、よそではあまり知られていない内容になってます。
無駄な力を抜くことにつながる考え方や運動の仕方のヒントになれば幸いです。
自分では力を抜いているつもりなのに・・・
力みやすい傾向(過緊張)が、自分にはあるらしいと自覚される人。
気づけずによくわからないとなる人。
共通するのは、ご本人にとってはどちらも普通の状態(無意識)であることです。
ただ身体には何らかの原因によって、誤作動が起きてる可能性があります。
神経伝達(神経の命令の伝わり方)の特徴はなじんだルートを通りやすいこと。
その積み重ねが使い方の癖(個性)です。
時間の経過とともに癖は強化されていきます。
うまくリラックスできたとしても、脳にプログラムされてる身体の使い方は変わりません。
良くも悪くもいつものルートから外れないように現状を維持しようとするから。
身体の歪みや不調が大きい人ほどそのような傾向がみられるようです。
脱力しにくいのは、そもそも力を効率的に伝えられていないから。
そんな想像をしてみてください。
「力を抜くのがうまくないのかも・・」
そう感じる人は多いですが。
「力を出す(伝える)のがうまくないのかも・・」
そう感じる人は少ないようです。
理由は力を入れるのは簡単だから。
本当にそうでしょうか?
力を「入れる」のと「出す」のは同じものではありません。
入れてるだけで外(周り)に伝わらない力は、内(自分)へ向かいます。
伝わらないのでさらに力を入れてる感覚が無意識に欲しくなるのです。
筋肉は硬くなり神経の緊張度は高まっていくことに。
やがては力が抜けにくい状態へと変わります。
※必ず起こるものではありません。
「いま抱えている問題の原因は、力がうまく抜けないからだ」
そんなお悩みで検索するとき。
脱力系メソッドや体操で出てくる対策のほとんどは『筋弛緩法』がベースになってます。
筋肉に10秒くらい力を入れたあとでストンと脱力するのを繰り返すのが一般的です。
例えば両手をグーの形に握り、10秒したら手の力を緩める。
しばらくその感覚を「味わう」「感じる」ようにするのがコツとされてます。
ただそれは簡単ではありません。
力が抜けない人にとってはそもそも「身体を感じる」のが苦手だったりするから。
試してみても「小さな変化だと気づきにくい」のもよくあることです。
そのような場合。
対人ワークで取り組む前後の身体の状態を確認できると、変化に気づきやすくなります。
自分だけよりも、他者の働きかけがあったほうが有利なんですね。
ほかに欠かせないものといえば深呼吸。
腹式呼吸が大事らしいからお腹を大きく動かさなきゃ。
その意識で深く吸ったり吐こうとしすぎるとかえってリズムが乱れることもあります。
筋弛緩法もそうですが苦しさを感じるようならムリに続けないことも大切です。
【関連記事】『呼吸が浅い・息がしづらい』
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どうして力が入ってしまいやすいのか?を考えてみましょう。
※内臓の不調による防御反応などは除いてます
外から強い衝撃が入ったときは、背骨のなかを通る神経が瞬時に緊張します。
頭を打つ以外にも尻もちをついて尾骨を打撲・骨折などした場合。
生理的な働きに制限がかかりやすくなるのです。
その結果、力が抜けないことにつながります。
怒りや焦り・不安などネガティブな感情が大きかったり、小さくても持続しているとき。
神経が高ぶるために緩めることに抵抗感が出やすくなります。
また自分に厳しかったり、期待値が高すぎる考え方をしてるとき。
「ゆるゆるに脱力できないとダメだ」
「試したらすぐに効果がでるべきだ」
苦しいときほど即効性や知られていない裏技的なものが欲しくなるのは自然です。
ただうまくいく基準が高く設定されているために(効果がでていたとしても)緩まる感覚を感じにくくなります。
関節や靭帯がゆるい人について。
ストレッチや体操などしたときに大きく動けるのが特徴です。
その反面、身体を不安定に感じることもあります。
柔軟性はあるのに、肩こりや腰痛など多いのが特徴のひとつ。
「そんなに柔らかいのに肩とか凝るの?」といわれやすく、本人も原因がわからない。
このタイプは、一定の力を出してキープするのが苦手な傾向があります。
力を出している意識はあるのに、力が伝わりにくい。
そのためにさらに力を入れることになるのです。
一般的なのは何かに取り組むときにみられる無意識に肩が上がる姿勢です。
そのほかの一例として曲げた肘を伸ばしながら手を前に出す動きの場合。
手や肘に軽く抵抗をかけると、できなくなる人がいます。
やりにくいのではありません。
外からの刺激に対し無意識に身体が緊張するとき。
動かし方が変わってしまい、肘を曲げたままプルプルと力が入った状態になるのです。
これは「アクセルとブレーキを同時に使っている」ことになります。
※主働筋と拮抗筋を同時に使用
効率が悪いばかりか身体にかかる負担も増えることに。
時間の経過とともにコリや痛み・疲れにつながっていきます。
力を抜いたり緩めるのが上手な人と比べた場合。
おおまかな表現ですが「脳に余計な負担がかかっている」ことになります。
身体の状態やバランスに大きな偏りがある場合。
入力と出力の神経伝達の情報が増えて複雑になることで、混乱しやすくなります。
結果脳にかかるストレスが増えるのです。
これらが力み癖や緊張を和らげることに、ジワジワと効いていきます。
はじめはうまくできなくて当たりまえ。
丁寧にやると脳も疲れますが、だんだんと慣れていけますのでご安心を。
ここでは省略しますが。
骨の意識や知識(狭く浅くでOK)を高めることは重要事項です。
余分な力を抜く以外にも怪我をしない・身体を痛めない・スポーツのパフォーマンスを上げるなど。
身体を効率的に使うためには欠かせません。
やり方は簡単です。
指と指を合わせて軽く骨を押しつけあいキープするだけ。
最初は人差し指から、慣れてきたら他の指でも試してみてください。
時間は10秒からスタート。
だんだんと長くしていき1分を目指します。
関節が柔らかい人に特に効果的。
そうでない方にもメリットは十分にありますので、気軽にお試しください。
地道に続けられる人にはおすすめですよ。
爪が同じ向きにならないようにして、指をまっすぐに押せてる【良い例】
指をまっすぐに押せていない【ダメな例】
曲がっているところで力が逃げてしまってます。
両手に意識を向ける必要があるため、慣れないと難しく感じるかもしれません。
そんなときは片方の指だけを使うやり方がおすすめ。
ある程度の硬さのあるものを、真下に向かって軽く押してみてください。
片側だけに意識を向ければよいので、やりやすくなります。
【重要!】
座る姿勢や立つ姿勢にムリがある場合。
身体を動かすときに力みがでやすくなるのは自然なことです。
またストレッチや深呼吸などで緩まりやリラックス感が出せた場合。
その感覚のまま運動できたり作業できるのは稀なこと。
無意識に力が入る使い慣れたパターンはそのままだからです。
そのため当店では緊張が緩まることだけを目的にせずに。
カラダの構造に合わせた動きを取り入れてもらい、使い方の癖を整えていく。
そういったことも大切にしています。
効果的な練習を取り入れるとき。
筋肉と同じように身体の感覚(バランスや感じる力・動かす能力)も少しずつ高めていけます。
期待できる効果は以下のようなものです。
難しく聞こえてしまったかもしれませんが。
「緩まる」や「脱力」は身体が整った結果としてあらわれてくるのが自然なんですね。
トレーニングは効果的なことはもちろん、やり方もシンプル。
わかりやすいのが特徴です。
初回で行うことが多いのは立位を中心にした以下のもの。
お伝えした内容はお家でも継続していただけるとさらに効果的です。
興味のある方には次回以降で、座位やうつ伏せ・仰向けなどで行うメニューも少しずつご紹介しています。
ただ初回の内容だけでも脱力につながる新しい発見やヒントがあると思いますよ。
【関連記事】『腕こり』
新しい動きや慣れていないものは、はじめ不安に感じるのがふつうです。
ただ好きなものややりやすいことだけでは身体の使い方の癖は解消されません。
やりにくいものに挑戦することは必要ですが、目標が高すぎてもうまくいきません。
はじめから以下の状態を目指すのが高すぎる目標の一例です。
「最小限の力で」
「理想とする脱力体や自然体」
「上虚下実(じょうきょかじつ)」
「頭寒足熱(ずかんそくねつ)」
【重要!】
失敗を恐れないことは必要ですよね。
ただはじめからできないことに挑戦しても「ダメだ」を実感するだけで終わり。
「能力がない」「センスがない」という自分への必要のないダメ出しをして苦しくなる。
それは避けたいことです。
「これでいいんだ!」という自信につながる体験をすること。
それを積み重ねていくことが大切です。
頑張っていても以下の方向性では結果が出にくくなるので注意が必要です。
背中で合掌や握手ができるなど、身体が柔らかくなれば脱力できるはず。
だから可動域が広くなるようにストレッチを頑張るなど。
「柔軟性がある=身体を効率的に使える」
ではないからです。
なぜそれをしたほうがいいのか。
理屈を知って、動いてみると身体が変わります。
変化を感じる能力には個人差があるので、「感じ方の正解」はありません。
身体の緊張や不調が大きな方ほど、はじめは変化を感じにくいこともあります。
それがその人にとっては「いまの」自然な状態ともいえます。
なにかに取り組む場合。
すぐに見切りをつけずに、少し続けてみることをおすすめします。
ヨガだとまずは3ヶ月やって様子みてね、といわれるそうですよ。
反復動作により脳の記憶は強化されます。
昨日までの身体の使い方の結果が、今日の状態であることを考えるとき。
今日からの身体への取り組みが明日以降のご自分へとつながっていきます。
脱力につながる効果的な身体の使い方を、生活のなかに早めに取り入れていきませんか?
さまざまなお悩みが聞かれます。
共通しているのは「いまの状態をなんとかしたい」ということ。
そのために情報収集も必要ですが。
頭のなかで悩むことにエネルギーを使いすぎると疲れますよね。
インプットしたあとはアウトプットするとバランスが良くなります。
そのためにもまずはやってみるのがおすすめです。
自分の役に立つのかを知るために、始めてみること。
ご紹介したもの以外にも、ご自分が良さそうだと思うものに取り組んでもらえたら嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
【記事を書いた人】 松本健之
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