更新日:2026年7月2日

肩こりの原因は肩の可動域(ROM)が狭いから?丨豊島区の池袋整体ゆっくり

肩こりの原因と肩の可動域の関係  


 

お客さまからこのようなご質問をいただくことがよくあります。

 

 

「やっぱり私はカラダが硬いから肩がこるんですか?」

 

 

結論からお伝えするとそういう場合もありますし、実はそうではないケースもたくさんあります。

 

今回の記事では「関節の可動域は必ずしも大きいほど良いとは限らない」という肩こりの本当の原因に迫るお話をしていきます。

 

 

 

そもそも関節の「可動域(ROM)」とは?  


 

可動域は専門的な医療・整体の現場では英語の頭文字をとって「ROM(Range of Motion)」と呼ばれています。

 

これは体にある各関節が、無理なくスムーズに動かせる物理的な「範囲」や「角度」のことです。

 

 

過去にケガのリハビリなどを経験されたことがある方にとってはお馴染みの言葉かもしれませんね。

 

治療の初期に測定した可動域が施術を重ねることでどう変化(拡大)していくのか。

可動域の数値は施術や治療の効果を客観的に知るための大切な指針となります。

 

 

 

事故やケガ、五十肩などで可動域が狭くなっている場合  


 

外傷や病気がきっかけで、肩の可動域が制限されてしまうケースについて。

 

  • 交通事故やスポーツによるケガ
  • 肩関節周囲炎(いわゆる四十肩・五十肩)などの炎症

 

このようにはっきりとした原因があって可動域が狭くなっている場合は痛みや不便さのせいで、普段通りに肩や腕を動かすことが不自由になります。

 

腕を上げるだけでも余計な筋力が必要になることが多いため、体には常に無駄な力みやストレスがかかり続け、結果として脳やカラダが激しく疲弊してしまうことに。

 

 

このケースでは適切なケアを少しずつ継続し「元の正常な可動域」に近づけていくことが最優先であり、非常に大切なプロセスです。

 

リハビリとしてゴムバンドなどを使い、インナーマッスル(回旋筋腱板)を地道にトレーニングするのも一般的な方法。

ここで重要なのは、「痛みを我慢して、無理やり力任せに関節を広げるのではない」ということです。

 

 

病気ではないけれど筋肉が硬くて可動域が狭い場合 


 

一方で、過去に大きなケガや病気をしたわけではない。

骨の変形や急性の炎症といったトラブルもない。

 

「だけど昔からとにかくカラダが硬いんです……」という方も多くいらっしゃいます。

 

  • まわりの友達は前屈すると指が床につくのに自分はスネのあたりまでしか届かない
  • 背中で握手ができる人いるのに指と指さえくっつけられない

 

 

この場合よくある原因が「筋肉そのものがガチガチに硬くなっていること」で、関節がスムーズに動くのを邪魔してしまっているケース。

硬くなった筋肉が心地よくほぐれて柔軟性を取り戻すと関節は自然と元の動かしやすさを取り戻し、肩まわりもスーッと楽になることがあります。

 

 

しかし本題はここから。

 

 

「可動域を限界まで広げる=肩こりがラクになる」とは一概に言えない人間の体の不思議なメカニズムがあるのです。

 

 

 

「カラダが硬い人」と「柔らかい人」それぞれの言い分 


 

「ウソつけ!」

「肩の関節や肩甲骨がもっと大きく動かせるようになれば、絶対に肩こりはラクになるだろ!」

 

そう思われる方もきっと多いですよね。

 

 

もしそう思われたらぜひご自身のまわりにいる「カラダの柔らかい人」にちょっと聞いてみてください。

 

「普段、肩こりや腰痛ってある?」と。

 

 

おそらくわりと多くの方が「普通にあるよ」「いつも肩がバキバキだよ」と答えるはずです。

 

カラダの硬さを自覚されている方はよくこうお話されます。

 

「もっと柔軟性が上がればこの肩こりもラクになるはず」

「肩の可動域が広がれば、首や肩の痛みが和らぐのでは?」

 

 

一方で、もともとカラダの柔らかい方は全く違う悩みを口にされます。

 

「こんなにカラダが柔らかいのになんで毎日首や肩がこるんだろう?」

 

 

実際、当店にも関節が大きく動かせるお客さまが多く来店されていますが、皆さまとまったく同じ「頑固な肩こりや首の重さ」に深く悩まされています。

 

 

関節が柔らかいのにデスクワークで頑固な肩こりにお悩みの水彩風女性イラスト

他店さんで施術を受けられた「カラダの柔らかいお客様」のケース 


 

以前に他店さんで施術を受けられていたある「カラダの柔らかいお客さま」の実際のケースを簡単にご紹介しますね。

 

 

お悩みの症状

 

  • 慢性的な首コリ・肩こり
  • ときどき起こるズキズキとした頭痛

 

 

可動域の検査(ビフォー)

 

  • 立った状態で、腕を横や前から天井に向かってどこまで上げられるか
  • 両手と両肘をカラダの前でピタッと合わせ、そのまま天井に向かってどこまで上げられるか

 

 

結果と他店さんでの施術内容

 

もともと関節が柔らかいタイプなので、上記の可動域検査はどれも「問題なく綺麗に」できてしまいました。

そこで他店さんでは、「さらに大きく腕や肩を動かせるようにする」ためのストレッチのような施術を受けられたそうです。

 

 

施術後に再度確認すると確かに最初よりも「もう少しだけ大きく」動かせるようにはなりました。

 

しかし肝心の首や肩の頑固なコリ感は施術の前と後でまったく変わらなかったそうです。

 

 

 

「カラダが硬い・柔らかい」の本当の意味とは? 


 

カラダが硬いケースは、見た目にも分かりやすいですよね。

 

「見るからに動きにくそうだな」

「無理して関節を動かしているな」

 

しかし、本当に注意が必要なのは一見すると「カラダが柔らかいケース」なのです。

 

 

なぜなら大きくスムーズに動かせる場所(例:肩関節など)だけをパッと見ているとカラダ全体が柔らかいのだと「目に見える動きに誤魔化されてしまう」からです。

 

 

大きな原因は関節の「バランスの偏り」にある  


 

関節が柔らかく見える人でも詳しくお体を検査していくと「自分が大きく動かせる場所以外の、のところがガチガチに硬くなっている」ということがほとんどです。

 

大きく動く関節が、動かない関節の分まで無理をしてカバーしている状態。

わかりやすく言うなら、「全身の関節のバランスが著しく偏っている」ことが肩こりの本当の原因になっています。

 

 

この偏りにご自身で気づいている方もいらっしゃいますが「自分は体が柔らかいから大丈夫」と思い込み、無自覚のまま負担をため込んでいる方のほうが圧倒的に多い印象です。

 

 

 

 

 一部分の関節だけが「動きすぎている」という落とし穴


 

「肩の関節はスムーズに大きく動かせるのにどうしても肩の力みが抜けず、頑固な肩こりがある……」

 

そのような場合は全身の関節がバランスよく動いているのではなく、実は「一部分の関節の可動域だけが異常に大きくなっている」可能性があります。

 

 

例えば専門用語で「肩甲上腕関節(けんこうじょうわんかんせつ)」と呼ばれる、いわゆる腕の付け根の関節がもともと柔らかい方の場合。

 

腕を横から上に上げていくと一見すると肩まわりが非常に大きく、柔らかく動かせているように見えます。

 

 

しかし独自の簡単なチェック法で詳しく確認してみると別の事実が分かります。

 

 

大きく動く腕の付け根とは裏腹に、その周辺にある大切な関節がほとんど動きを失ってガチガチにロックされていたのです。

お客さまにその自覚はまったくありません。

 

具体的には、「鎖骨(さこつ)」や「肋骨(ろっこつ)」を連動させることが苦手になっているケースが非常に多いのです。

(本来であれば何も考えなくてもこれらが自然に連動して動けている状態が体に負担のない理想の姿)

 

 

 

「鎖骨」と「肋骨」が動きを失うと何が起こるの? 

1. 鎖骨が動きにくいとき(胸鎖関節のロック)  


 

体の中心に近い、デコルテ部分にある鎖骨の出っ張り。

ここは「胸鎖(きょうさ)関節」という重要な関節です。

 

日常生活の癖などでこの胸鎖関節のまわりの柔軟性がなくなると、鎖骨と繋がっている「肩甲骨」の動きまでガチガチに制限されてしまいます。

 

その結果、連動して首の後ろの筋肉までが激しくコリやすくなるのです。

 

 

2. 肩甲骨は柔らかいから大丈夫?のウソ 


 

テレビやネットのセルフチェックでこれができてると「肩甲骨が柔らかい」ことの確認になるというものがあるようです。

 

  • 肩甲骨に指がガバッと入る
  • 背中で肩甲骨が肋骨から綺麗に浮き出ている

 

実際はそれだけでは安心できません。

 

肩甲骨と腕の付け根が大きく動けるせいで、目立たない鎖骨や肋骨のロックに気づけず水面下で大きな悪影響を受け続けているから。

 

人間の骨の構造上、「どこか1箇所が動きにくいと別の場所が過剰に動いてカバーする」という仕組み・つくりになっているからです。

 

 

 

動かない関節の「シワ寄せ」が首や肩の痛みの正体 


 

動きにくくなって柔軟性を失っている部分(鎖骨や肋骨)について。

 

「動かないなんて悪い場所だな」と思われるかもしれませんが実はこれ、メリット(防御反応)でもあるのです。

 

体がこれ以上のダメージを負わないように硬く動きにくくすることで「その部分を必死に守ってくれている」という。

 

 

しかしその代償は必ずどこかにやってきます。

 

あまり働けていない鎖骨や肋骨のぶんまで、もともと動かすことができる部分(首や肩甲骨, 腕の付け根)にすべての「シワ寄せ」が集中してしまうのです。

 

 

働かざるを得ないブラック企業のような状態になった首や肩甲骨まわりは、常にオーバーワークになり悲鳴をあげます。

 

 

これが当店にお越しになるお客さまの中で、動いていない鎖骨よりも必死に働き続けている「首や肩甲骨まわりのコリや痛み」のほうが圧倒的に気になってしまう理由だったりするのです。

 

 

 

当店が大切にしている施術ポイント「鎖骨の下」 


 

頑固な首肩こりや頭痛を根本から引き算していくうえで、外せない大切な施術のポイントがあります。

それが「鎖骨(さこつ)の下」です。

 

鎖骨の下は首のインナーマッスルである「斜角筋(しゃかくきん)」や、胸の大きな筋肉である「大胸筋(だいきょうきん)」が複雑に重なり合う場所です。

 

ここが日常生活のストレスや姿勢の崩れでガチガチに硬くなっているとき。

 

ご本人に自覚があるかないかに関わらず、慢性的で頑固な首こりや頭痛を引き起こす大きな原因となります。

 

 

効果的だけど「激痛を伴う」という厄介な問題 


 

しかしこの鎖骨の下のケアには、ひとつ厄介な問題があります。

 

それは、「ここは指でグイグイ押されるとめちゃくちゃ痛いことで有名」な場所だということ。

 

特に筋肉の硬さが強く血行が著しく悪くなっている人ほど、少し触れられただけでも「うっ!イタタタタっ……!」と顔をしかめてしまうほど激しい痛みが走りやすいのです。

 

(※硬すぎることで感覚が鈍くなっている場合もあります)

 

 

以前私が参加した整体研修で、この鎖骨下を含めた大胸筋まわりを指で強くほぐす手技を習ったときのことです。

 

講師のデモンストレーションを受けた他の参加者が、あまりの痛さに苦しげな悶絶の表情を浮かべている様子を見て私はこう思いました。

 

「この激しい痛みを伴う施術が使える状況は、かなり限られてしまいそうだな……(汗)」と。

 

 

実際、指でしっかり押すような施術は以下のようなお客さまでなければ双方にとってプラスが少なく、かえって嫌がられてしまうリスクがあります。

 

  • 「痛気持ちいい」では満足できず、むしろ痛いくらいの強刺激が好きな人
  • 現状の辛さが少しでも和らぐなら、どんなに激イタなほぐしでも耐えられる忍耐力のある人

 

 

苦痛を我慢してもらうような状況は可能なかぎり避けたい。

そう考えています。

 

 

 

特別な「道具」を使い施術の痛みを最小限に抑える工夫 


 

そこで現在の当店ではお客さまのお体を見て「どうしても鎖骨下や肋骨のまわりをほぐす必要がある」と判断したとき、指で力任せに押すことはいたしません。

 

痛みを可能な限り和らげるため、指ではなく「特別な道具(ケア器具)」を使って優しく圧を加えていきます。

 

 

この道具を使ったケアを体験されたお客さまからは、いつもこのような驚きと安心の感想をいただいています。

 

「痛いことは痛いけれど指で押されるよりは全然耐えられます!

「あれ?不思議ですね。たしかに指でグイグイされるより全然痛くないです!」

 

 

大切な施術のポイントだからこそ、プロとしての工夫と優しさで痛みを最小限に抑えながら丁寧に筋肉の緊張を緩めていきます。

 

 

 

首・頭の不快感だけでなく「リンパの流れ」とも深い関係が 


 

鎖骨のまわりは首や頭の不快感を解消するだけでなく、全身の「リンパの流れ(鎖骨下リンパ節)」とも非常に深い関係があります。

 

ここが詰まっているとお顔のむくみや、上半身全体の重だるさにも繋がってしまいます。

そのためお越しいただいたお客さまへ、おうちで簡単にできる「鎖骨まわりのセルフケア」を普段からおすすめしています。

 

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💡 お風呂でできる!簡単鎖骨セルフケア

 

オイルやクリームをわざわざ用意して塗るのは手間がかかりますよね。

 

一番簡単なのは、毎日の入浴時に石鹸やボディソープをつけて滑りを良くした状態で、鎖骨の上下を手のひらで軽めに優しくさする(流す)方法です。

 

毎日のリンパの詰まりをリセットさせたい方はお試しくださいませ。

 

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おわりに 


 

技術はもちろんのこと、お客さまに無駄な痛みを与えないための「道具の工夫」も当店が大切にしている総合力のひとつです。

 

それらをすべて総動員して、今日も池袋の地であなたのお体を優しく、心地よく整えるお手伝いをしています。

 

 

肩の可動域の狭さ、関節の偏り、前屈の硬さ。

 

そして鎖骨の詰まりを一度スッキリさせたいと思われたら、お仕事帰りに気軽な気持ちで頼ってくださいね。

 

 

清潔な整体院の中でお客さまを静かにお待ちしている整体師の水彩風イラスト

 

【この記事を書いた人】 

 

整体師

松本健之

 

JCC池袋整体院(旧日本カイロプラクティックセンター南池袋)で13年勤務。

独立して池袋整体ゆっくりをオープン。

数多くの整体セミナーに参加し、現在も施術や身体操作の学びを継続中。

ヨガや太極拳で学んだ経験も施術に活かしている。

 

プロフィール詳細